祖母を家で介護していた経験がありますが、その時に便利だったグッズがあります。
まず、お風呂で使う椅子です。
足腰が弱っているとしゃがむのが大変なのですが、高めの座りやすい椅子があればひとりでもお風呂に入ることができます。
お風呂は本来プライベートな時間なので、いくら介護が必要でも1人で入りたいという人は多いのだそうです。
まひがあったり危険が伴う場合は仕方ないですが、外で誰かが待機している状態で、1人で入れてあげるのは大事だと思います。
お風呂に1人で入れることで自信を持ったり、尊厳を取り戻すことも可能だからです。
今は通販などでも比較的安く専用の椅子があるので、足腰が弱っている場合には用意してあげるとお互いに楽かと思います。
同じように、椅子に座ったままで足の指を洗えるブラシも買いましたが便利でした。
毎日祖母は「あのブラシは気持ちがいい、足がスッキリ洗えていい」と褒めてくれました。
自分でお風呂に入れることで、かなり満足感を得ていたのでしょう。
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もう一つ、靴下を自分で履けるグッズもたいへん重宝しました。
歳を取ると体が硬くなったり、指先がうまく使えなくて靴下を履くのが困難になることもあります。
このグッズというのは、柔らかい素材のプラスチックに靴下をはめておき、それを紐で引っ張って自分の足に靴下を履かせるものです。
これなら腰痛があったり体が曲げられなかったりしても自分で靴下が履けます。
「他人に靴下を履かせてもらう」というのはなかなかにガックリくるもののようで、こんなことも自分でできなくなってしまった、と思いがちなのだそうです。
こういう便利グッズを使って毎日自分で履くことで、人の手を煩わせずにすむ安心感や自信が出てきます。
実際祖母も、自分で靴下を履くようになってからどんどん気持ちが強くなってきて、明るくなったような気がします。
介護は、全部手取り足取りやってあげるほうが親切に思えるかもしれませんが、まずは自分でできるような工夫を見つけてあげるのが重要です。